ネタバレ感想

映画『黒い司法 0%からの奇跡』ネタバレ感想 | 南部の人種差別と死刑制度

映画just-mercyで学ぶアメリカ

偶然、人種差別がテーマの映画を連続鑑賞になりました。
前回観たのはネットフリックスで『ゲット・アウト』。
テイストは180度違うけども。

丁度コロナウイルスもある時期なので、人種差別は良いテーマ。
コロナ関連のニュースでも、ちょっと怖い人種差別の話しをたまに聞きます。アジア人がぶん殴られたり、、。
ということでちょうど良い。
凄く観たかった映画だし。

完全主観評価星4個

▶星0~1:製作側に意地悪された ▶星1.5~2:後悔 ▶星2.5~3:相性がやや悪いのか ▶星3.5:楽しめた♡ ▶星4~4.5:ハリーポッター ▶星5:観るべき映画

映画『黒い司法 0%からの奇跡』 人種差別と闘う一人の黒人弁護士

原題   : JUST MERCY  (日本語訳は「ただ慈悲」 )
製作年度 : 2019年
上映時間 : 137分
監督   : デスティン・ダニエル・クレットソン
主演   : マイケル・B・ジョーダン (ブライアン・スティーブンソン役) / ジェイミー・フォックス (ウォルター・マクミリアン役 ) / ブリー・ラーソン (エバ・アンスリー役 )
ジャンル : ノンフィクション・ドラマ

監督さんのデスティン・ダニエル・クレットソンは、マーベル映画の『シャン・チー』を撮影中。
マイケル・B・ジョーダンや、ブリーラーソンもマーベル映画に出てました。そして、ジェイミー・フォックスは2代目のスパイダーマンにあたる『アメイジング・スパイダーマン』の2作目に出てましたよね。
いやー。
アメコミの勢いって凄いですね。
皆アメコミ1回は出てるんじゃないかって。

さて、『黒い司法 0%からの奇跡』と言う映画は、人種差別による冤罪や糞司法と戦う、正義の黒人弁護士の実話物語です。
日本人で暮らしていると人種差別は馴染みがないので、アメリカ南部の黒人さんの気持ちはわかりにくいかもしれませんね。
多くの方にぜひ一度観ていただきたい映画です。

あらすじ(ネタバレ無し)

現代でも蔓延る人種差別ですが、
アメリカの南部では黒人に対する差別が特に強いと言われています。※南部についてはページ下部で説明します。

1980年代の南部・アラバマ州にて、身に覚えのない罪で黒人(ウォルター)が死刑を宣告されてしまう。
大学卒業したての黒人弁護士(ブライアン)はお金の無い貧困な黒人たちの弁護を始める為に南部へ来ていました。
権力者たちの不正により、冤罪で死刑を宣告されてしまったウォルターにはアリバイもそれを証言することが出来る知人も複数いましたが、白人の陪審員や脅迫されている弁護士、証人が立ちはだかります。

原作は弁護士ブライアン・スティーブンソンさん本人が書いた本です。

映画『黒い司法 0%からの奇跡』のネタバレ感想

以下ネタバレ含みます

映画を観る前に大体の内容は把握していました。
“0%からの奇跡”とかいう邦題を付けられて、冤罪で死刑にされる事は想像できませんし、だったら映画にならないわけで。
ですが、謎ときサスペンスじゃないので、ネタバレなんてそんなの関係ねぇーです。
とても観る価値ある映画でした。

おすすめ。

さて『黒い司法 0%からの奇跡』は大まかに言うと、
黒人が人種差別と闘うお話。

黒人が白人と戦う話ではありません。
人種同士が戦うのはダメ絶対。

はたまた、映画内にも出てきましたが『アラバマ物語』のように、
白人が黒人を助ける話でもありません(僕は観てませんが、、)。


マイケル・B・ジョーダン演じる実在の黒人弁護士ブライアン・スティーブンソンは、ハーバード卒業後に新人弁護士として、貧しい人たち、黒人を弁護する道へ進みます。
そんな中、死刑判決を受けていたウォルター・マクミリアンに出会います。
ウォルターは少女を殺害した罪で死刑判決を受けていましたが、ウォルターにはアリバイもそれを証言できる人もたくさんいました。

ウォルターの無実を証明する為に、弁護士ブライアンは奮闘するわけですが、ブライアンは同時に別の黒人死刑囚の弁護も引き受けます。
彼の場合は実際に人を殺めているわけですが、死刑という判決は適当ではないという事で弁護する事になります。

しかし、死刑判決を覆すことができずに死刑が執行されてしまいます。

死刑になる時、アメリカの州によっては立ち合いが可能なんです。
(映画『グリーンマイル』でも被害者家族が立ち会ってたけど、あのお話も南部が舞台だったようです。悲しいお話だったな、、)
死刑執行に立ち合いと言うのは個人的には考えられませんが、同じく身内が人の手で殺されたこともないので、立ち会う人たちの気持ちは正直わかりません。
それにしても、映画の中で死刑執行にあれだけの時間をかけて見せられると、死刑自体も結局は人の手で人の命を奪う事なんだなー。と実感するし、死刑という事の重さを再確認する事ができます。

法律で人間の行動を規制して、ルールを犯した者は罰を受ける。
罰にも種類があれど、罰を与えるのもまた人間なんだと思うと、当たり前のシステムでも少し考えてしまうのも正直な所。

まぁそんなこんなで、ウォルターはもちろん無実なわけだから大量の証拠を提出できちゃうブライアンです。
しかし、裁判官は一度決めた判決を覆しません!
黒人の命など知ったこっちゃないよ~。
勘弁してくれよ~。

というバカ裁判官。


ですが最終的には、賢いブライアンはメディアの力を借ります。
テレビのドキュメンタリー番組。
ここで世間に訴えかけることで、ウォルターの無実を勝ち取ることができました。

映画の最後では、
“死刑囚9人に1人に無実が証明される”
という衝撃の事実が明かされます。

実話映画によくあるアノ終わり方ですよ。
実話と知らずに見るとびっくりするアレ。

今回の数字の詳細が気になるところですが、パッと調べてもアメリカの死刑囚に関わるデータは見つける事はできませんでした。
ただし、この映画も元々は本なので、もしかしたら本にいろいろと細かなデータが書いてあるかもしれませんね。

もし読む時があったら、内容の違いなども調べてみたいところですが。


今回のお話は1980年代の実話で約30年前の出来事ですが、2020年になっても人種差別は無くなっていません
今からまた30年後に「たった30年前の話だよ~」とか言って人種差別の怖い話があったら悲しいもんですが、おそらくそうなるのではないでしょうか。

日本では人種差別は実感しにくいですが、女性差別はわかりやすいはずですね。平均所得を見ればすぐにわかります。

ということで個人的な満足度☆4つの『黒い司法 0%からの奇跡』でした。

映画『黒い司法 0%からの奇跡』から学ぶ《黒人差別の続くアメリカ南部と死刑制度》

学びのきっかけ程度に少しだけ見て!

画を基に(きっかけに)、少しだけでも《学び》を。
ということで、
今回は、《アメリカの南部と、世界で変わりつつある死刑制度》のお話です。
せっかくなので知識を共有しましょーっと!

黒人差別が根強く残るアメリカの”南部”

アメリカ南部では黒人への人種差別がより一層強いと言われているのですが、南部と言われてもよくわかりませんし、そこをはっきりとさせましょう。

アメリカ南部とは

一般的に南部と言うのはアメリカの右側半分の下側の方です。

▲ここらへんがだいたい南部

しかし、南部というのは定義があいまいでもあります。
というより、意味がいろいろある?と言っても良いのかもしれません。

たとえば、
[公式情報]では南部とは16の州で構成されている地域で、具体的には

フロリダ州、ジョージア州、ノースカロライナ州、サウスカロライナ州、バージニア州、ウエストバージニア州、アラバマ州、ケンタッキー州、ミシシッピ州、テネシー州、アーカンソー州、ルイジアナ州、オクラホマ州、テキサス州
などの事を指します。

映画でも、冤罪で死刑判決を受けたウォルターは「アラバマでは黒人は生まれながらに有罪だ」という事も言っています。 そのアラバマも南部にあたります。

しかし、南部には他の意味もあり、

[南北戦争のときに、アメリカ連合軍を形成した州]
というものが一般的
です。

歴史に詳しくない方には少しわかりにくいかもしれないので、
簡単に翻訳すると、[ギリギリまで黒人の奴隷制度肯定派だった地域]です。
厳密にはいろいろ語弊が生まれてしまう表現かもしれませんが、そんな感じ。
最後まで記事を見てもらえるように、超簡単に解説します。

南部を語るには”南北戦争”を知れ

南北戦争と言うのは、一言で言うとアメリカの内戦です。
1861年~1865年のアメリカ内での戦いの事。

何でアメリカ同士で戦ったかと言うと、

当時は当たり前だった黒人の奴隷制度
黒人の奴隷を買って労働させるという怖い制度。
嘘みたいですが事実です。(ページ下部で奴隷制度に関する映画を紹介しときますね)

そんな奴隷制度に対して、自由の国アメリカがやっと気が付きました。

「冷静に考えると、肌が黒いだけで奴隷にするってどう思う?」
「ぜんぜん自由じゃないよね?」


そこで、当時の大統領リンカーンが言いました。

「奴隷制度もう終わりー!!」

しかし、それに反発した人たちも多くいました。
ちょっとじゃなくて多くいたんですね。

それが南部!!!

そこから南部がチームになり戦った。

ということで、
「あんときに奴隷継続従った奴らの地域」

という意味でつかわれるのが南部です。

南部がなぜ奴隷制度廃止に対して反対したのか?
長くなってしまうので別途ググってください、、。ごめんなさい。

世界で廃止されつつある”死刑”

人の命を人の判断で奪う事がどうなのか。
ということもありますが、
9人に1人の無実が証明されるような判決の制度って問題ですよね?
なのに死刑があるんですよ?

それって、
「たまに何もしてない人が国に処刑される」
ってことです。

先進国の死刑制度

先進国と言うのは経済的に調子の良い国ですね。(異論はとりあえずやめてくれ)
日本、アメリカ、中国、ドイツ、イギリス、フランス、イタリア、カナダを中心に何か国かあります。

そんな先進国の中で2020年現在、死刑制度を貫いているのは、なんと、、

日本とアメリカのみ

正直僕も知らなかったので驚きました。
死刑って聞き馴染みのない言葉では無いし、どの国にもあるのかと思っていましたが、そうでは無いんですね。
正確にはアメリカは州によっては廃止しています。

世界には193の国がありますが、その中で死刑がある国は約3割程度。
ですが、もともと死刑が無かったのではなく、死刑が事実上廃止されてきたという事です。

先ほどの、
「奴隷って良くないよね?」→「やめよっか?」
と同じく、
「死刑って良くないよね?」→「やめよっか?」
です。

イスラム教徒の多い国では死刑は継続しているようですが、その他の多くの国で廃止されている死刑制度。
この記事を見ている多くの方が日本人だと思いますが、死刑制度についてはどう思いますか?

世界の流れを見ると、死刑には否定的な考え方をする方が多いのではないかと思います。
しかし、政府世論調査(2018)によると日本人の8割程度は死刑制度に肯定的なようです。

実は僕もそう思っていました。
が今では、50%-50%かな?と、、、思っています。
理由の1つは冤罪ですよね。
簡単に死刑になる事はないと思いますが、何か間違いがあった場合に死刑にしてしまっては本当に取り返しがつきません。
映画を思い出すとつくづくそう思います。

ただし、家族がいる自分としては凶悪な人は一人でも少ないほうが良い。
それも正直な気持ち。やはり安全に暮らしたいです。
死刑じゃなくてもよいのですが。
難しい問題が世界にはたくさんありますね。

映画『黒い司法 0%からの奇跡』 まとめ

良くなっていると言えど、問題はたくさんあるんだなぁと。
いろいろな事を考えさせてくれる映画でした。
これはノンフィクションならではでしょうかね。

最後に、奴隷制度について、同じくノンフィクションで描いた作品をご紹介しておきます。
自由黒人という恐ろしいワードが出てきますが、これも事実です。

それと、丁度少し前に黒人の人種差別に関する映画の記事を書きましたんで。よかったらこちらも見てください。

ていうかね。
僕のPCは毎度毎度”黒医師法”と変換してくるけど。
そんな医者の法律ないやろがーい。

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